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今求められているのは「働きがい改革」 〜日本は働きがい低下〜

働きがいを意味する「エンゲージメント」を重視する日本企業が増えています。職場の健康診断を実施して職場風土を改善し、生産性アップや離職率防止につなげるのが狙いです。

米民間の調査では、日本における「熱意あふれる社員」の割合は6%にとどまり、世界139カ国中132位との結果になりました。

さらに世界約60カ国の大規模調査「働きがいのある会社ランキング(G P T W)」の20年版では、7千を超える各国企業の働きがいを調査しています。その結果、日本企業では「低下傾向」という回答が42.5%を占め、「改善傾向」を15.9ポイントも上回りました。長時間労働の是正などを進めた一方で、効率を重視するあまり、職場のコミュニケーションが減ったことが背景にあるようです。

「エンゲージメント」は今、経済界の合言葉になっています。経団連の会長も「エンゲージメントが最も重要なテーマだ」と述べ、春季労使交渉の議題に乗せました。

エンゲージメントは従業員の貢献意欲を示す指標で、一般には「働きがい」と同じように捉えています。欧米で先行した概念で、日本で本格的に広がったのはここ数年です。

Great Place to Work®︎(G P T W)は、「働きがいのある会社」とは「働きやすさ」と「やりがい」の両方がかね備わった組織であると考えています。「働きやすさ」は、快適に働き続けるための就労条件や報酬条件などで、働き方改革の取り組みの中心テーマで、目に見えやすいものと定義しています。一方「やりがい」は、仕事に対するやる気やモチベーションなどで、仕事そのものや仕事を通じた変化に起因する目に見えにくいものと定義しています。

G P T Wでは毎年世界の国々でランキングを公表していますが、ランクイン企業とランクインしなかった企業を比べると、売上の対前年比伸び率の差が21.9%の違いとなり、働きがいは生産性に大きく起因していることがわかります。

G P T Wでは、30年以上にわたる調査・研究により、「働きがいのある会社」について以下のように定義しています。

「働きがいのある会社とは・・・、マネジメントと従業員の間に「信頼」があり、一人ひとりの能力が最大限に生かされている(For All)会社のこと。優れた価値観(バリュー)やリーダーシップがあり、イノベーションを通じて財務的な成長を果たすことができる。」

日本でもエンゲージメントを軸に組織改革に取り組む企業は、大企業をはじめ中小企業でも年々増えています。経済産業省では「健康経営」をキーワードに、社員の健康への投資を促し、エンゲージメントを上げるサポートに力を入れています。近年の就活生がどのような企業に就職したいかのアンケートでは、「従業員の健康や働き方に配慮している」「福利厚生が充実している」が上位になっています。

今後の働きがい改革は、従業員の仕事に対するやる気やモチベーションをいかにあげるか、会社側の取り組みが競争力を左右しそうです。

 


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