「サザエさん」でお馴染みの磯野波平さん。頭のてっぺんに残っ
た1本の髪の毛、一体何歳だかご存知でしょうか?サザエさんの
公式ページで磯野波平さんは以下のように紹介されています。「年
齢は54 歳。威厳と貫禄たっぷりのお父さん。曲がったことが大嫌
いで気難しいところもありますが、情に厚くお人好しの面もあります。
趣味はたくさんあり、囲碁・盆栽・釣り・俳句・骨董品の収集など。
しかし全てが得意とは言い難く、下手の横好きも多いです。」
実は私も同じ54 歳ですが、波平さんほどの威厳や貫禄はありま
せん。私からすると波平さんは70、80 歳代の印象です。
当時1950 年代は、55 歳定年制の時代でした。そう考えると波
平さんはあと1 年で定年退職を迎え、老後生活を送ることになり
ます。この頃の平均寿命は、男性58 歳、女性61.5歳でしたので、
定年後の寿命もそれほど長くはありませんでした。
時代は人生100 年時代に変わり、敬老の日を前に総務省から発
表された2021 年の65 歳以上の就業率は25.1%で、65~69 歳に
限れば50.3%と初めて5割を超えました。私が70 歳になる16 年後
では、働いている人が更に増えているでしょう。今後、健康で働
ける人は、仕事人生80 年時代を考えなくていけなくなると思います。
100 年単位で考えると、いつの時代も大きく変化をしていきます。
現在も産業構造が大きく変わろうとしていて、多くの企業が事業
転換を迫られています。医療業界についても同様かと思います。
同じ会社で働くにしても、その変化に合わせて新たな能力を身に
つけなければ働き続けることは難しくなります。
そのために必要なのが「リスキング」です。リスキングとは、新
しい知識やスキルを身につけることです。技術革新やビジネスモ
デルの変化に対応するために、大企業を中心に近年取り組みが
進んでいます。波平さんも今の時代だったら、これから10~25
年働くことになります。リスキングをして新しい知識・技術を学び、
次の仕事ステージに向けて忙しい毎日を送っていることでしょう。
悠々自適な年金生活を送りながら、趣味の盆栽に向き合える時
期はまだ先になります。
中高年にとって、セカンドキャリアは切実な課題です。80 歳ま
で働くには、「気力」、「体力」、「能力」が必要です。そのどれ
もをブラッシュアップさせていく必要があります。
体力、能力を上げるのに焦る必要はありません。昔と違って、ノ
ウハウの蓄積と、最先端のテクノロジーによって、学習プログラ
ムそのものが進化していて、容易に取り組むことができるようになり
ました。大抵のプログラムは、1年や2年、しっかりとトレーニング
を受ければ向上させることができます。体力についても、能力に
ついても、オンラインプログラムが多数用意されており、場所や
時間を選ばず、自分の力に合ったプログラムを、好きなタイミン
グで取り組むことができます。
一方、焦って身につけなければならないのが「気力」です。
それは「学習習慣」とも言えます。学習習慣がなければ、本格
的なトレーニングに取り組んでも、なかなか身につきません。
長い間、学習する習慣がない人は認知能力が衰えるからです。
認知能力が衰えている人は、長い説明に耐えられません。
耐えられたとしても、要点をうまく整理できません。理解力が落ち
ているので、結果、トレーニングを受けても途中で投げ出してし
まうことになります。
重要なことは年齢ではなく、日ごろの気力「学習習慣」です。
是非意識をしてみてください。